前回の記事で扶養には
税金上の扶養
健康保険上の扶養
会社の扶養手当
の3種類あること。
そのうち一番重要なのは健康保険上の扶養であることを説明しました。
前回の記事はこちら
たぶんどのブログよりもやさしい専業主婦と扶養の説明。(前編)
今回の記事でなぜ健康保険上の扶養が重要なのかを、「どのブログよりもやさしく」説明しますね。
健康保険上の扶養が外れるとどうなるの?
健康保険上の扶養とはみなさんが持っている保険証のことです。
夫の健康保険上の扶養に入っていると、夫と同じところから発行された保険証を持っているはずです。
いわゆる130万円の壁という言葉が有名ですが、妻の収入が130万円を超えると、健康保険上の扶養から外れます。
そうすると妻は自分で保険証をつくることになります。
(妻が正社員になった場合は、妻の会社から保険証がもらえますのでOKです。これが一番いいパターンですね。)
正社員ではなく、パートや個人事業主の場合は、役所の国民健康保険に入るしかないです。
(健康保険に入らないという選択肢はありません。日本は全ての人がどこかの健康保険に入らなければいけない国です。もっとも保険証のない生活なんて怖すぎますよね〜)
そして国民健康保険に入ったら当然保険料が発生します。
国民健康保険の保険料がいくらになるのかは計算が複雑でムツカシイです。
(実は市町村によって金額が高いところと安いところがあります)
仮にここでは年間10万円程度とします。
つまり・・・妻の収入が130万円を突破したら、妻の支払いがいきなり10万円増えることになります。
しかも増える支払いはこれだけではありません。
年金と連動している
健康保険上の扶養と年金は連動しています。
夫の健康保険上の扶養 ➡ 第3号被保険者
国民健康保険 ➡ 第1号被保険者
こんな感じですね~
第3号被保険者は年金を払わなくてよいです。
第1号被保険者は一カ月あたり16,490円払わないといけません・・・
年間だと197,880円・・・
なんと、妻の年金支払いが年間約20万円も増えることになります。
お、おそろしいですね。
イメージ図
(また自作図です。ヘタでスミマセン~)
つまり極端なことを言うと
妻の年収が129万円の場合は、妻の支払い0円
妻の年収が130万円の場合は、妻の支払い30万円
ということです・・・
収入130万円前後の人は、意識して129万円までに抑えないと、かなり損しますね。
実は130万円でない場合もある
本当に健康保険上の扶養は落とし穴が多いです。
さっきから130万円と言っていますが、実は130万円でない場合もあります。
(説明しやすいので130万と言っていました。スミマセン)
保険証を発行している機関は会社ごとにありますので、その基準も会社ごとに微妙に違います。
だいたい130万円前後ということは決まっているのですが、中には125万円で扶養から外れたり、140万円でも外れなかったりすることもあるらしいです。
(私も実際に見たことがありませんが、あると聞いています。)
そして最も問題になるのが、年間単位でなく、1カ月単位で計算する会社です。
例えば、130万円を12で割って、1カ月約10.8万円。これを超えると扶養が外れるという基準もあります。
(こういう基準を採用している会社はわりと多いです。実は私の夫の会社もこういう基準です)
例文
「年間の収入は130万円以下だったけど、夏に忙しいパートなので、8月だけ収入が12万円だった」
こういう人は、1カ月単位の基準だった場合、8月に健康保険上の扶養から外れてしまいます。
(一度健康保険上の扶養から外れたら、だいたい1年程度は戻れません)
う~ん。正に複雑怪奇ですね~
遡りで扶養を外されることも
これまでで十分健康保険上の扶養は怖いということが分かって頂けたと思いますが、更に怖いことを一つ・・・
1カ月単位で基準を計算する場合、更に落とし穴があります。
そもそも、妻の収入を1カ月毎に会社に報告している人なんていませんよね〜
妻の収入を会社に報告する時は、通常1年に1回。12月の年末調整の時です。
この時、例えば妻の年収140万円で報告したとします。
それを見た会社の経理担当者が、「うわ!この人の妻、健康保険上の扶養から外れてる〜」と発見します。
この時、何月から健康保険上の扶養を外すと思いますか?
これは会社によってやり方が違います。
発見した12月から外してくれた場合はやさしい会社です。
厳しい会社の場合、1カ月単位で基準を超えた月に遡って外すこともあります。
上記の例では、8月に遡って健康保険上の扶養を外す場合もあるのです。
この場合、国民健康保険と年金の加入は8月に遡って加入することになってしまいます。
そうするとなんと!8月から12月までの、保険料と年金の支払いが一気に来るのです!
1年間で30万円とするなら、5か月分で約12万円くらいでしょうか。この請求が一気に来ます。いや~怖いですね・・・
私実際に、以前仕事をしていた時、ここまで見事に落とし穴にハマった人を何人か見たことがあります・・
(自治体によってはこの一括請求を若干緩和して数カ月に分けてくれる所もあるようです)
更に更に恐ろしいことを一つ
ここまででもう十分ですが、更に更にもう一つ・・・
この8月から12月までの間にお医者さんにかかっていた場合どうなると思いますか?
夫の健康保険上の扶養の保険証を使ったけど、実はその時、既にその保険証は使えなくなっていた・・・その時は実は別の保険証だった・・・
理論上こういうことになりますよね。
通常は病院の方で調整してくれますが、まれにしてくれない病院もあります。(ヤブ病院?)
その時、更に恐ろしいことが起こります!
スミマセン、調子に乗って脅しすぎました・・・ここまで落とし穴に落ちる人はさすがにほとんどいませんので、これ以上は解説しませんが、理論上はこういうことも起こり得るということです。
対策はどうするか
対策としては、とにかく健康保険上の扶養で迷うことがあったら、夫の会社の経理担当者に逐一確認しておくことですね~
たったこれだけで簡単に、上記のようなトラブルは防げます。
ぜひ健康保険上の扶養で迷うことがあったら、自分で判断せずに経理担当者に相談しておきましょう~
まとめ
・健康保険上の扶養は怖い
・130万円の壁と言われているが、実は基準はあいまい
・健康保険上の扶養が外れると一気に妻の支払いが増える
・遡って健康保険上の扶養を外される場合もある。
・その場合遡って請求が来るので要注意。
・会社の経理担当者に相談しておくと、こういったトラブルは簡単に防げる
こんな感じでしょうか~
いや~今回の記事は疲れました・・・
注意事項
上記文章はとにかくやさしく説明するために、若干説明を省略した箇所があります。
例えば130万円の壁は、税金上の扶養の基準である103万円と計算方法が若干違って交通費等も含まれます。また個人事業主なら売上そのものが130万円です。経費は考慮されません。
また、文章には万全を期してはおりますが、万一誤りがありましたら、どうかご容赦下さいね。
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